熱で塗膜を形成する塗料
ゴム系塗料
ゴム系塗料には,合成ゴム系と天然ゴムを塩素化した塩化ゴム系とが展色材としてあるが,現在は塩化ゴム系塗料がほとんどである 。 ①塩化ゴム系塗料 塩化ゴムを展色材とした塗料は,先に示したアルキッド樹脂を混合したタイプと塩化ゴムー可塑剤系の純塩化ゴム系とがある。 ここで示す塩化ゴム系は純塩化ゴム系塗料であり,アルキッド樹脂系の各種塗料に比較し,耐薬品性を中心にすぐれた性能を有して おり,速乾性であり1日2回塗り,低温塗装などが特長づけられるが,最も大きな特長の1つに厚塗性が可能で1回で50~60ミクロンの 膜厚を形成することができる。 用途としては,これらの特長が生かされ,橋りょう,プラント,鉄骨構造物用などに重防食塗装として用いられる。 これら純塩化ゴム系と同様な性質をもつものとして,塩素化ポリプロピレン,塩化ポリエチレンなどが展色材として用いられている 。 ②ビニル系塗料 ピニル系塗料の代表は塩化ピニル樹脂を展色材とする塗料とアグリル樹脂系の2種類があげられるが,アグリル樹脂系は無機質系下地 への用途が多く,ここでは,塩化ピニル樹脂エナメルを中心に示す。 ◎塩化ビニル樹脂エナメル 塩化ビニル樹脂エナメルは,塩化ビニルの中の重合樹脂ではすぐれた耐薬品性を示すが,これのみで、は,付着性が不良で,溶剤に 対する溶解力が不十分で塗料用としては不適当であり,必ず酢酸ピニルとの共重合体となっている。 この共重合の割合で塗料の性能が異なってくるため,JIS規格においては,塩素の含有量すなわち,共重合の割合によって分類されて おり,1種は比較的塩素の含有量が少なく吸収性の下地すなわち,コンクリート,モルタル用としており, 2種については同様の含有 量で非吸収性商用である金属用としており3種は特に塩素の含有量を高くして,下地別でなく,いずれにも用いられるように耐薬品用 としてある。 ひと口に塩化ピニル樹脂エナメルといっても3種類が規定化されているため選択上では注意が必要である。 一般には,特に制限のない場合は金属面用は2種で十分であり,最近は耐薬品性を要求する場合,塩化ビニル樹脂塗料の膜厚が薄いた め厚膜型の2液型エポキシ樹脂エナメルか塩化ゴム塗料が用いられ,3種の塩化ピニル樹脂エナメルの使用されるケースが少なくなっ ている。 塩化ビニル樹脂エナメルは金属商に塗装する場合いずれも付着性が不良であるため,必ずエッチングプライマ-1種が用いられ,その 上に専用の金属用プライマーを塗装するシステムとなっている。 ③ラッカーエナメル ニトロセルローズを主成分とするラッカーエナメルは速乾性耐水耐油性良好であるが肉もち性,付着カが他の塗料に比較し劣るため ,外部用にはほとんど使用されず,内部の金属家具などに使用され,これらを改良し外部に適用した塗料としてアクリル系ラッカー がある。
熱可塑性合成樹脂系展色材系塗料
塗料用展色材の中で熱によって可塑性を示す合成樹脂を用いる塗料は一般に揮発乾燥型であり,その塗膜化は単純であるが,すぐれ た性能を有する塗料が存在し,鉄面の塗装に多く用いられているものもある。